銀嶺日誌|トップイメージ・画文&digital工房・銀嶺堂

過去の記事

2012年7月31日
無駄にならない、ささやかな努力

京都市,中京区,祇園祭宵山,綾傘鉾「日和神楽」と囃子演奏(2012年7月16日撮影)

祇園祭の山鉾巡行と共に梅雨もおわり、夏本番の8月目前となりました。

今月初めまでの涼しさとは、うって変わった大変な暑さが続きますが皆さま如何お過ごしでしょうか。

酷暑常襲地の内陸盆地、ここ京都も、連日昼の猛暑と夜の寝苦しさに苛まれております。

猛暑にからんで、この夏関西でも特に注意を促されているのが、節電。そのためか、今年は銀嶺堂がある左京区の市街地でも、窓を開けて過ごされているお宅をよく見かけるようになりました。

理由はともかく、多くの人がエネルギーについて考え、それへの思いを日々の暮しに反映させることは良い風潮だと思います。同じく筆者や小社も、薄着や機器転換などによる節電を実施しています。

これらの行為は、全体の消費量やそれに対する効果のほどを考えると、とても小さなことだと言えます。しかし、筆者は、これらの行為、つまり社会や環境に対する「好意」とも言えるこの努力は、決して無駄なものにはならないと思います。

マネー経済やグローバル化の時代、国家経済推進の一翼担っているエネルギー事情を根本かつ急激に変えることは困難です。この巨大な機構に対抗できるものこそ、好意・良心をもとにした、人々の意識変革だと思います。

欲望に駆られ肥大化する経済と一体化したエネルギー事情がもたらす「想定外」の災厄に対する、転ばぬ先の杖となりうるのは、もはやこれしか有りえないのではないでしょうか。筆者もそれを踏まえて、日々ささやかな努力を実践し、その広がりを支えたいと思います。

さて、今日の写真は祇園祭「宵山(7月16日)」の最後を飾る「日和神楽」。各鉾町から四条御旅所に出向いてお囃子を奉納し、明日の巡行安全を願うものです。写真は綾傘鉾のもの。夜とはいえ暑い最中、揃いの浴衣で整然と囃子を奏でゆく姿に涼を感じます。

エネルギーによる解決が困難であった古人の知恵でしょうか。われわれ現代人にも、まだまだ工夫できることは沢山有るかと思います。


過去の記事一覧